太陽光と蓄電池でスマートな未来へ
沖縄の豊かな日照条件は、太陽光発電を活かす理想的なエネルギー源です。しかし、太陽光発電を導入するには、導入時のトラブルや維持管理の課題が潜在しています。
そこでこの記事では、沖縄で太陽光発電を検討している方々に向けて、一般的なトラブルやよくある問題点を明らかにし、それらを回避するための具体的な対策について解説していきます。
これから沖縄で太陽光発電を始めようと考えている方は、安心してエコな発電生活を送れるように、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 沖縄での太陽光発電設置に関するトラブル事例
- 具体的なトラブルの回避、対処方法
- 沖縄で太陽光発電を設置するメリット、デメリット
太陽光発電は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することです。この方法で作った電気は、一般の家庭でも使われるようになっており、エコでクリーンなエネルギーの1つとして注目されています。
太陽光発電の仕組みや基本的なメリット・デメリットを確認したい場合は、下記リンクでチェックしてみてください。
沖縄での太陽光発電のトラブル例
次に、沖縄での太陽光発電のトラブル例を紹介します。実際にあったトラブルは以下のとおりです。
- 台風の影響による設備の損壊
- 塩害による設備の劣化・故障
- 想定できなかった発電量低下
- 沖縄であったその他のトラブル例
それぞれ詳しく見ていきましょう。
台風の影響による設備の損壊
沖縄県は台風が頻繁に発生する地域であり、台風に伴う強風や強雨が、太陽光パネルや架台に損害をもたらすことがあります。
ただし、火災保険や自然災害補償を利用することによって、費用的なリカバリーが可能です。優良な販売店であれば問題は無いですが、アフターフォローが確立されていない販売店の場合は注意が必要です。もし自然災害が発生すると申請手続きの煩雑さや修理までの時間がかかるなど、手間と時間、ストレスが多大にかかってしまうため、安心して設置をお願いできる販売店に太陽光設備の設置は任せましょう。
塩害による設備の劣化・故障
太陽光発電を沖縄で行う場合、塩害タイプではなく一般地仕様の商品だと、塩害によって部品の交換・修理が他の地域よりも発生する可能性が高くなります。
想定できなかった発電量低下
太陽光パネルは、表面温度が上がりすぎると発電効率が10～20％程低下する傾向があります。発電量の想定は、メーカーが過去の気象データや実験結果を元にした精度が高いシミュレーションを参照して行う必要があります。
沖縄であったその他のトラブル例
沖縄での太陽光発電導入時に起こりうるトラブルとして、以下の事例が挙げられます。
- 施工中に販売店の倒産により工事が中断し、自ら別の施工店に依頼し、余計な施工費用が発生した
- 塩害への耐性を考慮しない、安価な設備の選択が原因で故障が発生した
- アフターサービスが不十分な会社に契約したため、初期不良の際に対応が遅く、設備が使えないまま修理まで2ヶ月以上かかった。
- 販売店に依頼したFIT制度（固定価格買取制度）の申請が漏れており、設備が使えるようになるまで2年以上かかった
- 契約前は、アフターフォローしますという話だったが、設置から4年間経った今も一度も来たことがない
以上の点から、太陽光発電設備を導入する際は、設備の費用だけではなく、販売店の信頼性、具体的なアフターフォロー体制、設備のプランニングなど、総合的に検討する必要があります。
沖縄で太陽光発電関連のトラブルに巻き込まれないようにするにはどうすれば良い？
ここからは、沖縄で太陽光発電関連のトラブルに巻き込まれないための対策方法について見ていきましょう。それぞれのトラブル事例に対して、詳しく紹介します。
実績が豊富な販売店と、その販売店と提携している施工店を確認する
施工中に販売店の倒産により工事が中断し、別の施工店に依頼する必要があったなどのトラブルに対しては、「実績が豊富な販売店と、その販売店と提携している施工店を確認する」ことが大切です。
販売店にどこの業者が施工をするのかを確認して、HPや口コミで可能な限り施工店の情報を確認すると良いでしょう。
安さだけを売りにしてくる業者は注意する
塩害への耐性を考慮しない、安価な設備の選択が原因で故障が発生したなどのトラブルに関しては、「安さだけを売りにしてくる業者は注意する」lことが大切です。
他社との競争の為に価格を落として提案してくる業者は要注意です。業者の利益を減らして、お客様に還元することは一見良いように思えます。
しかし、太陽光・蓄電池システムは、設置した後長期使用する設備です。点検システムが無い場合や、アフター対応で逆に高くついてしまうケースがあります。安さだけの提案を鵜吞みにせずに、総合的に判断するとよいでしょう。
口コミ情報や、具体的なアフターサービス内容を確認しておく
アフターサービスが不十分な会社に契約したため、初期不良の際に対応が悪く、修理に時間がかかったなどのトラブルに関しては、「口コミ情報や、具体的なアフターサービス内容を確認しておく」ことが大切です。
設置後、エラー等が発生することは珍しくありません。販売する際は親切ですが、設置後の対応が悪いという最悪な事態を避けるために、事前に販売店の口コミや実績を確認しておきましょう。
FIT制度の申請について具体的なスケジュールを確認しておく
販売店に依頼したFIT制度（固定価格買取制度）の申請が漏れていたや、太陽光パネルを設置してから、実際に使用できるようになるまで2年以上かかったなどのトラブルに関しては、「FIT制度の申請について具体的なスケジュールを確認しておく」ことが大切です。
事前にスケジュールを確認しておくことで、進捗確認を行いやすくなります。また、販売店からの連絡を待つだけでなく、2〜3カ月単位で業者からも確認するようにした方が、Wチェックという意味でも有効な方法です。
沖縄で太陽光発電関連のトラブルに遭ったときの対処法
ここからは、沖縄で太陽光発電関連のトラブルに遭ったときの対処法について紹介します。トラブルに遭ったときの対処法は以下のとおりです。
- 購入販売店・施工店に相談する
- メーカーに相談する
- クレジット会社に相談する
- 販売店が悪質な場合は、消費者センターや弁護士に相談する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
購入販売店・施工店に相談する
太陽光発電設備で問題が発生したら、まずは購入した販売店や施工された業者に連絡してみてください。問題内容を伝え、メーカー保証が対象になるかどうかや、修理対応の流れについて確認しましょう。
メーカーに相談する
もし設置した販売店や施工業者が廃業している場合や、連絡が取れなくなってしまった場合は、太陽光パネルのメーカーが提供するカスタマーサービスや相談窓口に直接連絡してみましょう。
メーカーは製品に関する専門的な知識を持っているので、故障や発電量の低下などのトラブルに対するサポートを受けられます。また、保証期間内、保証対象内の事象であれば無償修理や交換をしてもらえます。
クレジット会社に相談する
販売店に問い合わせをしても解決しない場合は、クレジット会社（信販会社）に相談する方法があります。クレジット会社は、悪質な販売店への指導責任があり、場合によってはクレジット会社から販売店にトラブル解決の指導を促してもらえる場合があります。
販売店は、信販会社との関係性において信用が低下してしまうと取引中止になる可能性があるので、販売店も丁重に対応せざる負えません。
販売店は、特定商取引法を順守する必要があり、ルール違反は解約要件を満たすことがあります。トラブル内容が悪質な場合は、クレジット会社への相談は一つの方法と言えます。
悪質な場合は、消費者センターや弁護士に相談する
消費生活相談窓口は、悪徳商法や不適切な契約に関するトラブルで相談を受け付けている公的な窓口です。太陽光発電設備の販売や施工に関して契約違反などの問題があった場合は、消費者センター窓口に相談することで適切なアドバイスを得られるでしょう。
消費者生活相談窓口では、無料で具体的な解決策の相談に乗ってもらえますので、弁護士などに相談する前に一度無料相談を利用することは1つの良い方法といえます。
また、法的な問題が複雑に絡んでいる場合や紛争の対処が必要な場合は、弁護士に相談するのが良いでしょう。ただし、報酬や実費などの費用が発生するため、その点を考慮して相談することをおすすめします。
沖縄での太陽光販売業者の選び方
沖縄で太陽光発電業者を選ぶ際は、以下の観点から選ぶようにしましょう。
- 過去の実績を確認する
- 取り扱い商品が豊富な専門店を選ぶ
- 商品保証の長さを確認する
- 具体的なアフターフォローを確認する
- 金利が低く・支払い回数が長く設定できる会社
それぞれ詳しく解説します。
過去の実績を確認する
販売店のホームページを確認し、過去に北海道内でどれぐらいの施工実績があるのかを確認します。確認するポイントは、施工写真等やお客様の声で詳細を詳しく確認することで、実際の実績を確認することができます。施工実績が豊富であれば人気がある販売店と言えます。
取り扱い商品が豊富な専門店を選ぶ
太陽光、蓄電池システムの専門店ではないハウスメーカーや町の電気屋さんの場合、取扱商品が少なかったり、各メーカーの商品知識が薄い場合があります。長期間使用する設備だからこそ、最初のプランニングが最重要です。高い商品知識を元に「ご家族様の将来設計に最適」なプランを選びましょう。
商品保証の長さを確認する
商品保証の選定を間違えると、もっと良いプランであれば25年保証が受けられたのに、我が家は12年になってしまった…。などと、致命的な損をしてしまうリスクがあります。専門のスタッフに相談し、ベストな保証を受けられるプランを選びましょう。
具体的なアフターフォローを確認する
設置した後はアフターフォローが最重要となります。実は、ほとんどの販売店は、緊急メンテナンスと定期メンテナンスのマニュアルが無く、メンテナンスのサービスが確立されていません。アフターフォローの具体的な内容を確認をせずに設置してしまうと、設置後の不具合対応で大変困ってしまったという実例が実際に多くあります。設置後に失敗しない為に、『具体的な』アフターフォローを確認し、安心できる業者を選びましょう。
金利が低く・支払い回数が長く設定できる会社
意外と見落としがちなのが、ローンプランです。販売店の信用度に応じて金利が変わる場合がある為、引き下げ条件適用後に1.9％前後になるようなプランを選ぶと利息を安く抑えることができます。
ローンは申し込み者の年収等の属性で金利が変動する場合があるので、まずは2.5％程度を目安に考えておき、付帯する保証や団信などの条件を確認しておきましょう。
沖縄で太陽光発電を設置するメリット
ここからは、沖縄で太陽光発電を設置するメリットを4つ紹介します。沖縄で太陽光発電をするメリットは以下のとおりです。
- パネルの遮熱効果で暑さが和らぐ
- 生涯にかけて支払う電気代を節約できる
- 蓄電池システムと組み合わせることで停電対策ができる
- 沖縄は全国でも電気代が特に高いため電気代削減の効果が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
パネルの遮熱効果で暑さが和らぐ
沖縄の夏は、非常に日差しが強いです。しかし、屋根に太陽光パネルを設置することで、パネルが太陽の熱を吸収して、直射日光から家を守ることができます。
これにより、家の中の温度上昇をやわらげて、快適な室内環境を保つことができるでしょう。
生涯にかけて支払う電気代を節約できる
太陽光発電を沖縄のような日照条件が良い場所に設置すると、生涯にかけてかかる電気代を大幅に節約できます。電気代は、生活する上でかかる必要な固定費です。毎月かかる必要な費用なので、生涯で考えるとかかる費用は数百万円になります。その費用を節約することで、自分の趣味など、私生活を充実させることにお金を回すことができるでしょう。
また、FIT制度（固定価格買取制度）の恩恵も受けられます。FIT制度とは、太陽光発電で生成した電気を国が定めた一定の価格で10年間買い取ってくれる制度で、安定した収入で初期投資を回収しやすくなります。
蓄電池システムと組み合わせることで停電対策ができる
蓄電池を導入すれば、自宅で発電した電気をそのまま蓄え、夜間など太陽光発電が機能しない時間帯にも使えます。そのため、より安定した電力供給とコスト削減が実現するでしょう。
沖縄は全国でも電気代が特に高いため電気代削減の効果が高い
沖縄では、火力発電が主な電源として使用されていることから、電気代が高いです。そのため、沖縄で太陽光発電を導入することは、非常に合理的な選択といえるでしょう。全国の電気料金のランキングは以下のとおりです。
【電気料金ランキング（従量電灯プラン：30A・300kWh）】
| 順位 | 会社名 | 金額 |
| 1位 | 北海道電力 | 9,423円 |
| 2位 | 沖縄電力 | 8,055円 |
| 3位 | 東京電力 | 8,010円 |
| 4位 | 中部電力 | 7,983円 |
| 5位 | 東北電力 | 7,779円 |
| 6位 | 中国電力 | 7,464円 |
| 7位 | 関西電力 | 7,118円 |
| 8位 | 九州電力 | 7,137円 |
| 9位 | 四国電力 | 7,054円 |
| 10位 | 北陸電力 | 6,781円 |
上記の表から、沖縄や北海道では特に電気料金が高いことがわかります。そのため、沖縄県内で太陽光発電をすることは、大きなメリットがあると言えるでしょう。
北海道で太陽光発電を導入するメリットについては、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
内部リンク「太陽光発電 北海道」を設置する
沖縄で太陽光発電をするデメリット
ここからは、沖縄で太陽光発電をするデメリットについて3つ紹介します。沖縄で太陽光発電をするデメリットは以下のとおりです。
- 塩害が他の地域よりも強い
- 一般地品に比べて設備代が高くなりやすい
- 本土から船便・空輸を経由するため、商品の輸送費用がかさむ可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
塩害が他の地域よりも強い
沖縄県に太陽光発電を設置する際は、塩害への対策が非常に重要です。塩害は金属部材の腐食や半導体の損傷の要因となり、太陽光発電システムの効率低下や寿命短縮を引き起こす可能性があります。
一般地品に比べて設備代が高くなりやすい
沖縄県で太陽光発電事業を始める際には、塩害に強い設備を導入する必要があります。そのため、一般的に使用される太陽光発電設備より、初期投資が高額になることがあります。
また、メーカーが限られているという点も、選定を難しくしています。一般的に利用できるメーカーの製品でも塩害に強いとは限らないため、耐性があると宣言しているメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
本土から船便・空輸を経由するため、商品の輸送費用がかさむ可能性がある
重量のある太陽光パネルや架台などの設備部材を本島へ運ぶためには、船舶や航空機が必要です。
これらの運送手段のコスト設備の価格に反映されます。（5～10万円程設備輸送費にかかる場合がある）
デメリットを解決する方法
先ほど紹介した3つのデメリットは、方法次第で解決することができます。
【塩害が他の地域よりも強い】
沖縄の塩害に対応した、「塩害タイプ」「重塩害タイプ」のメーカー機器を選ぶことによって、長期安心して使用することができます。enemicでは、塩害に最も適した設備を提案することが可能です。
【一般地品に比べて設備代が高くなりやすい】
沖縄において、塩害タイプの設備を設置することは必須条件です。発電効率が高い設備や長寿命の蓄電池など、コストパフォーマンスが高い商品を選ぶことによって、高くなりがちな設備費用を抑えることができます。
【本土から船便・空輸を経由するため、商品の輸送費用がかさむ可能性がある】
例えば、太陽光発電はAメーカー、蓄電池はBメーカーにすると輸送コストが2重で発生する可能性があります。太陽光と蓄電池は別々のメーカーにすることはなるべく避けて、一緒のメーカーで設置すると配送コストを抑えられます。
沖縄で太陽光発電を設置する際の費用相場
沖縄で太陽光発電を設置するには、5kWシステムで140〜220万円（メーカー・足場の有無・施工方法・設置エリア・使用部材により変動します）が相場となっています。
ただし、この金額はどこのメーカーのものを選ぶか、設置するときに足場が必要かどうか、どこに設置するかなどによって変わります。また、塩害対策の有無や輸送コスト、メーカーによっては、費用が変動する可能性があります。
沖縄の太陽光発電に関する補助金
補助金は、沖縄県内で住宅用太陽光発電システムを設置する際の経済的支援を目的としています。制度の期間や対象者、利用できる補助金の額は、それぞれの市町村によって異なります。そのため、最新の情報を各市町村の公式サイトや相談窓口で確認することが重要です。
現在、沖縄の各自治体で適用できる補助金については、自治体別補助金制度検索で確認ができます。ぜひチェックしてみましょう。
沖縄での太陽光発電に関するよくある質問
最後に、沖縄での太陽光発電に関するよくある質問について見ていきましょう。
沖縄県は日照時間が短く、効率よく発電しないって本当ですか？
沖縄県は日照時間が長い地域の1つです。そのため、1年を通して日差しが強いため、太陽光発電には非常に適した環境と言えるでしょう。
沖縄が日照時間が短いと感じられるのは、時々激しい天候変化があるためかもしれません。しかし、実際の発電効率は全国平均並み、場合によってはそれ以上のパフォーマンスを発揮することがあります。
そのため、沖縄で太陽光発電を検討する場合には、日照不足を心配する必要はほとんどありません。
沖縄では出力制御によって発電量が抑制されますか？
沖縄を含む地域では、電力系統の安定性を保つために時として出力制御が行われることがありますが、これは大型の事業用発電所に対して一般的に適用されるものです。
家庭用太陽光発電システムは、その規模が小さいため、出力制御の対象となることは一般的にはありません。
太陽光パネルの反射光による住民トラブルになりますか？
太陽光パネルは、日光を電気に変換するために設計されていますが、一定の光を反射することもあります。
ただし、屋根やカーポートに対応工パネルを設置する際は、パネルの向きや角度を適切に設定し、可能な限り反射光が他人の迷惑にならないよう配慮して設計・配置されます。そのため、反射光によるトラブルは基本的に発生しません。
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まとめ
この記事では、沖縄で太陽光発電を導入して起きうるトラブルや対処法について紹介しました。
沖縄県で太陽光発電を導入する際は、台風や塩害に備えることが大切です。太陽光発電システムを設置する際は、しっかりとした販売店や施工業者を選ぶようにしましょう。
この記事を参考に、沖縄で失敗なく太陽光発電を導入しましょう。